梅雨の時期になると毎日のようにテレビやネットニュースで見たり聞いたりする、
梅雨前線と停滞前線。
このワード、毎年よく耳にするけど一体どういうものかご存知でしたか?
じつは梅雨前線と停滞前線は同じものなのですよ。
お恥ずかしながらわたしは知らなくて、
最初に知ったときは「え?!名前がちがうのに?!」と思ってしまいました。
今回は、この梅雨前線と停滞前線の違いをなるべく分かりやすく
簡略的にお伝えいたしますね。
そもそも梅雨前線ってどういうもの?
梅雨前線のおはなしの前に、そもそも天気でいうところの「前線」というのは
すごく簡単にいうと、温かい空気と冷たい空気が同じ場所、
つまり上空で重なりあっている部分のことです。
つまり「梅雨前線」とは、梅雨の時期の前線のこと。
梅雨は毎年同じような時期におとずれますよね?
毎年この時期に非常に強い勢力の暖気と寒気が日本上空で長い期間にわたり重なり合い、
特徴的な「梅雨」という天気がおとずれます。
この毎年発生する梅雨の時期の前線を「梅雨前線」と呼ぶようになったのです。
これを少し詳しく説明すると、
日本の上空では毎年ちょうど春から夏に変わる季節の変わり目の時期に,
太平洋高気圧が日本の南から送り込まれます。
これと時期をほぼ同じくしてオホーツク海気団が日本の北から送り込まれます。
この時期に送り込まれる太平洋高気圧とオホーツク海気団はどちらも湿った空気です。
このどちらも勢力の強い暖気と寒気が日本列島上空でぶつかり合いますね。
そうすると暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降します。
お部屋で暖房をたくと温かさがお部屋の上の方に溜まってしまう
メカニズムと同じです。
この上空に溜まっている暖気が下に溜まっている寒気によって、
冷やされることで、雲を発生させ、
湿気をたっぷりと含んだ雲は雨雲となりやがて雨をふらせるという仕組み。
勢力の強いこの時期の暖気と寒気は長い間にわたり日本の上空でせめぎあっている状態。
暖気と寒気のせめぎあいによる長雨が梅雨というわけですね。
じきに北の方から送り込まれたオホーツク海気団は勢力を弱め、
暖気が徐々に北上していきます。
そうすると日本の南から北へ季節が夏へと移り変わっていくというわけです。
これがいわゆる「梅雨明け」。
夏の季節の始まりですね。
停滞前線はいつの時期にあるの??
「停滞前線」とは、その名の通り「長い期間に渡り上空で停滞する前線」のこと。
つまり、梅雨前線は停滞前線の一つということなのです。
前の項で説明した通り、暖気と寒気が重なり合い長い間にわたり、
せめぎあっている状態を「前線が停滞している」ととらえ、
「梅雨の時期に停滞している前線」イコール「梅雨前線」ということになるのですよ。
このような前線が停滞する現象は梅雨の時期以外にも発生しています。
それがいわゆる
「秋雨前線」、「寒冷前線」、「温暖前線」、「閉塞前線」。
日本ではこの四つが代表的ですね。
どれも一度は耳にしたことがあるのでは?
これらの四つもメカニズムは梅雨前線と同様。
ようは日本上空で停滞する気団が湿っているか、寒気が強いか、
暖気が強いかの違いなのです。
南北に長く東西に短い日本列島ならではの気候といえるでしょう。
まとめ
毎年よく耳にはするけれど、天気予報で使われる用語の違いや、
区別の仕方ってなかなか知る機会がないものですよね。
今回のテーマの「梅雨前線」が実は「停滞前線」の一部、
つまりは同じものだということも、
逆に同じだと思っていたものが実は違うということも、
ままあることなのです。
天気のメカニズムが分かれば、毎日の気圧の変化などを天気予報でみることで
「そろそろ梅雨入りかな?」とか「今年の梅雨は流そうだなぁ」とか、
ある程度の見通しが付きそうですよね。
今年の梅雨はこの知識で乗り切ってみませんか?
コメント