暑気払いとは、ごくごく簡単にいうと
「暑い時期に身体に溜まった熱を打ち払い、夏を乗り切ること」です。
読み方は「しょきばらい」と読みますよ。
ところでそもそも暑気払いって、聞いたことありますか?
社会人になるまで聞いたことが無かったという人も多いかもしれませんね。
というのもじつはこの暑気払い、
古くは江戸時代の文献で確認されているほど、
古くからおこなわれてきた昔の季節の習慣で、
現代のように文明の利器によって暑さをしのぐ術がなかった時代から、
受け継がれているものなのです。
社会に出れば暑気払いの名目で飲み会を取り行う会社も多いことでしょう。
そこで今回は、暑気払いの飲み会の幹事をとつぜん任されてしまっても、
慌てることのないように、その時期や慣習を詳しくお伝えしていきますね。
暑気払いって?社会人になったら常識として知っておこう!
冒頭でお伝えした通り、暑気払いとは古くは江戸時代にも確認できるほど昔から伝わる、
真夏の暑さを打ち払い乗り切る日本の風習。
しかし今ではエアコンや扇風機などで暑さをしのぐことができ、
氷だって簡単に作れてしまう時代。
電気のない時代には真夏に氷を手に入れることすら困難で、
漢方や煎じ茶、体を冷やす効果のある食物を摂取することで、
わりと真剣に暑さを払おうとする習慣があったのです。
桃の葉やどくだみの葉などの身体の熱を冷ます効果のある葉を煎じてお茶にして飲んだり、
スイカやキュウリ、なすびなどの夏野菜を食べたり。
意外なことに甘酒もこの暑気払いの要因として活躍していたのですよ。
飲食だけでなく川遊びや行水、薬湯などで暑さをしのいでいたとも言われています。
ちなみに飲み物に氷を入れたりかき氷を食べることができたのは、
当時はかなり上流階級の人達だけだったようです。
うってかわって現在でいうところの「暑気払い」とは、
この「暑さを打ち払う」という概念だけを受け継ぎ、
飲み会を取り行ったりお中元でそうめんを贈り合う習慣として残っているようです。
「景気づけに食事会でもして辛い真夏を乗り切ろう!」といった具合に。
会社の上司に「今年の夏も暑さが厳しいから暑気払いでもするか」と
言われ困惑してしまったあなた、
もし何も知らずうっかり幹事に任命されてしまったとしたら、
以上のような暑気払いの概念を思い出していただければ、
会場や日時などを決めやすいかもしれませんね。
暑気払いはだいたい時期6月から9月!意外と長い!
では次は、一体いつからいつまでの期間が暑気払いの時期なのか?
ざっくばらんにいってしまうと「暑い時期」です。
じつはお盆やお彼岸のような明確に決まっている期間がないものなのですよ。
しかし古くから一般的に言われている時期は夏至から処暑のころまで。
夏至とは毎年6月21日ころからで、処暑とは毎年8月21日ころからですね。
そして昨今では残暑もかなり長引いています。
つまりはだいたい6月から9月に渡る意外と長い期間ということです。
会社の集まりの場合に最適な時期は、やはり8月初旬。
なぜならお盆の前ですし、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉もあります。
そしてちょうど夏のボーナスが支給されたばかりの時期でもありますしね。
暑気払いの飲み会の日時を設定するのに困っている方は参考にしてみてくださいね。
社会人になったらみんなで暑気払いを楽しもう!
会社で取り行われる暑気払いの集まりだと若手の社会人の方は、
ちょっと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、
仲のいいお友達や同僚同士でワイワイと暑気払いを楽しむのは、
とても良いリフレッシュになりますよ。
食事に行くもよし、避暑地にキャンプに行くもよし、
屋外で流しそうめんをするのもおつなもの。
ようするに
「真夏に楽しい行事で生気を養い、明日からまた頑張ろう!」
という前向きな気持ちになれ、元気になれればよいのです。
それこそが暑気払いの醍醐味なのですから。
忙しい日常にかまけて連絡がなかなか取れないお友達に、
暑気払いの名目で食事会のお誘いをするのも良いきっかけかもしれませんね。
まとめ
時代が変わりいくら暑さをしのげる環境が整っているとはいえど、
やっぱり高温多湿の日本の真夏は毎年乗り切るのは辛いものですよね。
わたしは北海道に住んでいますが、
真夏は30℃をかるく超えジメジメしている日も実は多いのです。
昔は今ほどまでは暑さが厳しくなかったような…
これも温暖化の影響でしょうかね?
とにかく地域にかかわらず、
日本列島くまなく暑さを乗り切るのは容易ではありません。
「みな一丸となって暑さを打ち払い活力を養う」という先人たちの教えを汲んで、
この機会に仕事でもプライベートでも暑気払いの名目で、
親睦を深めてみるのも良いかもしれませんよ。日本の夏の風物詩です。
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