労働の対価として支払われるボーナス。
何をしようか、何を買おうかと心待ちにしている方が多いことでしょう。
そこで気になるのはなんといっても支給日。
ただでさえ心待ちにしているのに支給日が休日と重なってしまったら!
なんだか落ち着きませんよね。お気持ちすごくよくわかります。
給与にせよボーナスにせよ、一日も早くもらいたいと思うものです。
さてここで認識を新たにしていただきたいのは
「給与」と「賞与」は異なるものであるという事。
賞与とはご存知ボーナスなどの臨時支給のことですね。
「給与」に関しての法律はあっても「賞与」に関しての法律というのはじつはないのです。
そう、「賞与」とはあくまでも支給する権限が会社側にあるものなのです。
しかしここまで読んでガッカリするのはまだ早すぎますよ!
今回は、労働基準法などの兼ね合いを含めて給与と賞与のシステムを
出来るだけ分かりやすく簡潔にご紹介いたします。
賃金支払い5原則というものがある
官民関係なく労働基準法では「賃金支払い5原則」というものを定めています。
給与や賞与はこの5原則にのっとって支払われているというシステムになっているわけです。
では具体的にどのような原則なのか??
①通貨払いの原則
賃金は原則として通貨で支払わなければいけません。
現物支給や小切手での支払いは禁止されています。
②直接払いの原則
賃金は第三者を通じてではなく労働者に直接支払わなければいけません。
代理人もまた然りで、給与口座が必ず本人名義でなければならないのは、
この原則があるからです。
③金額支払いの原則
賃金は必ず金額通りに支払わなければいけません。
企業側が勝手に差し引いたりするのは禁止されています。
④毎月1回以上支払いの原則
賃金は必ず最低でも毎月一度は支払わなければいけません。
⑤一定期日支払いの原則
毎月必ず一度支払われる期日は決まってなければいけません。
「何日から何日のあいだ」などの期日が曖昧な支払いは禁止されています。
ただし決まっている期日が休日や祝日の場合は、
企業側の判断で日にちを繰り上げたり繰り下げたりすることができます。
この記事で問題にしているのは⑤の項目という事ですね。
労働基準法が定める「一定の期日」が休日や祝日の場合は、
期日の繰り上げや繰り下げが認められていますが、
厳密な対応は定められていないのです。
ということは、この繰り上げるか繰り下げるかの判断は、
あくまで企業側の采配ということ。
詳しくは次項でお伝えいたしますね。
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就業規則を確認しよう
前の項でご紹介した通り、じつは給与の支給日が休日や祝日の場合の対応は、
会社が定めているものなのです。
ここから先の権限は会社側のさじ加減。
つまりそれぞれの会社の就業規則によって、
支給日が繰り上げられるか繰り下げられるかが決まっているのですよ。
この就業規則は一般的には入社する際に契約書と一緒に渡されるか、
会社側からの説明があったはずです。
詳しく思い出せないというかたは、
今一度会社の経理部か人事部の方に聞いてみるのが一番確実です。
あるいは同じ会社の同僚か先輩に聞いてみましょう。
ちなみに公務員のばあいは公務員法にのっとり期日を繰り上げられて支給されます。
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お金を銀行へ振り込む時間にもよる
前述した「賃金支払い5原則」のほかにも労働基準法で定められている事項があります。
それは給与支払いが手渡しではなく銀行振り込みの場合、その振込時間に関するものです。
労働基準監督署では「給料は、給料日の午前10までに、
労働者が引き出せるようにしておかなければならない」と指導しているのです。
多くの企業は給与の振り込みを「全国銀行データ通信システム」を介して行っています。
この場合には入金手続きが毎月きちんと自動で行われているので、
給料日になった時点で引き落とすことが可能です。
つまり給料日の午前0時をまわれば引き出せるという事です。
しかし企業によってはこの「全国銀行データ通信システム」を利用していない企業もあり、
毎月手作業での入金手続きをしている場合もあります。
この場合には、もし給与の入金手続きを担当している方が、
給料日の午前10時ギリギリに入金作業を行っていたとすれば、
当然引き出せるのはそれ以降の時間となるわけです。
こちらも前の項と同様、あくまで会社側の采配というわけですね。
給与を振り込む時間帯によって引き出せる時間がかわってきます。
当然のごとくボーナスにおいても同じことが言えて、
会社側がどのような入金システムを採用しているかによって、
ボーナスを引き出せる時間帯がかわってくるという仕組み。
ましてボーナスは通常の給与とは異質なもの。
それにボーナスなどの賞与に関する法律はなく、
決まりを定めるのはあくまで会社側なのです。
それこそ会社が定める就業規則にのっとって支給がなされます。
要するに、対応が給与の時と違ってもおかしくはないということです。
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まとめ
意外と知らない支給のシステムでしたね。
しかしご安心ください。会社側も鬼ではありません。
労働者の気持ちを汲んで、支給日が休日の場合には期日を繰り上げる会社がほとんどです。
だって、このようなことで従業員に組合活動などをされては会社も困ってしまいますものね。
ただし「ほとんどの場合が期日を繰り上げる」ということであって、
中には諸事情から期日を繰り下げている会社もまれに存在します。
やはり会社側に詳しく聞いてみるのがいちばん確実ですね。
ボーナスを受け取るのは労働者のまっとうな権利です。恥ずかしがることはありませんよ。
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