合食禁(がっしょくきん)または食合禁(しょくごうきん)という言葉があります。
昔から一緒に食べる食材の取り合わせが悪いことをいう言い伝えです。
普通は食べ合わせとか食い合わせなどと言いますね。
ある物とある物を一緒に食べると体に害を及ぼすとして禁じています。
一番有名なのは梅干しと鰻の食べ合わせです。
よくおばあちゃんなどが言っていませんでしたか?
梅干しと鰻を一緒に食べるとお腹をこわすよと。
他には天ぷらとスイカ、カニと柿などがあります。
この組み合わせで食べてしまうとお腹をこわすと禁じられてきました。
でも、本当に食べ合わせでお腹をこわすのでしょうか?
昔から言われている食べ合わせについて調べてみました。
梅干しと鰻と食べてはいけない理由は酸がキーワード
結論から言いますと、梅干しと鰻を一緒に食べても、体に害はありません。
医学的にも全く問題はないということです。
それどころか、梅干しと鰻の食べ合わせは理想的だったのです。
鰻にはビタミンB1が多く含まれています。
一方梅干しにはクエン酸が含まれていますよね?
あの酸っぱい元がクエン酸です。
両方とも疲労回復に効果的な栄養素です。
夏バテを克服するためには最強のコンビなのです。
さらに梅干しの酸が脂っこい鰻の消化を助けてくれるのです。
それなのに何故食べ合わせが悪いと言われてしまったのでしょう。
その理由の一つは、その梅干しの酸の働きによるものです。
鰻の脂に梅干しの酸が作用して消化不良を起こすと考えられていたのです。
そして、梅干しを食べながら鰻を食べると、口の中がさっぱりして、
つい鰻を食べすぎてしまうということもあります。
高価な鰻をあまり食べすぎるなという贅沢を戒めたという理由もあったのです。
また、鰻は腐っていたら酸味があります。
しかし、梅干しと一緒に食べると、
梅干しの酸味で鰻の腐っていることがわからないという、
食中毒を心配した理由もあります。
高価な鰻の過食防止と贅沢を戒めた理由もありますが、
『食べ合わせ』が悪いとされた理由は梅干しの酸がキーワードのようですね。
梅干しはスイカと食べたらお腹が悲鳴をあげるのか
スイカは暑い夏の日に食べると本当に美味しいものですね。
冷蔵庫でよく冷えたスイカを汗を流しながら、
食べるのが一番美味しく感じる瞬間です。
これが、夏でも曇って肌寒い日や、
クーラーが効いて冷え冷えのお部屋で食べるスイカはあまり美味しく感じません。
スイカの醍醐味はやはり暑い日に汗をかきながら、
かぶりつくのが最も美味しい食べ方ではないでしょうか。
ところで、スイカはそのほとんどが水分です。
なんと89%が水分だということです。
そのため、美味しいからと言ってついうっかりスイカを食べすぎてしまうと、
お腹をこわすことがあります。理由は水分の取りすぎです。
水分を取りすぎると胃液が薄まってしまい、消化不良を起こします。
それでスイカを食べすぎると下痢になることもあるのですね。
梅干しとスイカ、または天ぷらとスイカの食べ合わせで、
お腹をこわすのではないようですね。
スイカだけでも食べ過ぎはお腹をこわす原因となります。
なんでも食べる時にはほどほどに、と気をつけた方が良いですね。
牛乳を固まらせてしまう梅干し
牛乳に梅干しを入れると固まるということをご存知ですか?
これは牛乳に含まれている『カゼイン』というタンパク質が酸に触れると
反応を起こすためなのです。
とはいってもプリンのように完全に固まるというわけではないようです。
牛乳の中に梅干しを入れると時間とともにぽつんぽつんと牛乳が固まっていきます。
この牛乳の性質を利用しているのがヨーグルトやフルーチェというお菓子です。
乳酸などの酸を入れることによって牛乳はドロドロに固まっていくのです。
また牛乳の中にオレンジジュースを入れると分離してしまいます。
牛乳は酸で変性する性質があったのです。
梅干しの持つクエン酸は牛乳を固まらせてしまうのですね。
まとめ
食べ合わせについては諸説ありますが、そのほとんどは都市伝説的なもののようです。
医学的な見地から見れば、体に害を及ぼすことはないようですね。
特に梅干しと鰻の食べ合わせは全く根拠のないもので、
かえって良い食べ合わせだということでした。
しかし、あまり食べ合わせを馬鹿にしたものではありません。
中には本当に体に悪い食べ合わせもあるようです。
天ぷらと氷水は実際に胃の負担が増加して、
消化に支障をきたすことが確認されています。
ここで、現代の栄養学的、医学的に見た食べ合わせをご紹介します。
スイカとビールは両方とも水分で利尿作用があるものです。
同時に食べると、ビールの摂取が進み、急性アルコール中毒を引き起こします。
また、水分をとっているつもりでも、
気づかないうちに脱水症状に陥ってしまうことがあります。
ラムネと炭酸飲料は食道から胃にかけて損傷するようです。
知らず知らずに悪い食べ合わせをしてしまわないように気をつけたいものですね。
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