五月から六月にかけて初夏の庭でいいにおいをふりまくクチナシの花。
においをかぐだけで幸せな気分になります。
生け垣や庭の隅に植えて楽しんでいる方は多いと思います。
でも、最近葉っぱがなくなっているな、病気かな、
と調べて見ると木のしたに大きな虫の糞がころころ。
よくよく探すとコロッとした人差し指のような芋虫を発見して、
ぎゃっと思った方も多いのでは。
下手をすると葉っぱを食べ尽くして木を弱らせてしまう
このやっかいな虫の撃退方法を見つけました。
オオスカシバを大きくなる前に撃退
しっぽに角のような突起をつけているこの虫はオオスカシバという蛾の幼虫です。
一番大きくなるときで5センチほど。かなり大型の芋虫です。
成虫は昼間活動する蛾の仲間です。
食べ物は花の蜜、刺すこともなければ毒もありません。
ホバリングしながら花の蜜を集める無害でかわいい生き物です。
ただこの虫の幼虫はクチナシの葉をがつがつと大量に食べるのです。
せっかく花を楽しもうとしているところを虫害にやられてしまう、
クチナシの花を愛している人にとってはとてもやっかいな虫です。
この虫は保護色で隠れているのに加え、
大きくなってしまうと使いやすい土にまくタイプの殺虫剤で殺すのも一苦労です。
幸いにも小さい間は殺虫剤が効きます。
オオスカシバが卵を生むのは春と夏の終わりの二回です。
ゴールデンウィークあたりと梅雨が終わってから食害にきく、
粒剤を木の根元にまいてください。
葉っぱを食べた虫が農薬に当たって死んでくれます。
これで卵からかえったばかりの幼虫は退治できるはずです。
ハエや蚊に使う家庭用殺虫剤が効果的
でも卵のつく時期を逃してしまってすでに、
虫が大きくなっているという場合もあるでしょう。
芋虫を割り箸で一匹ずつつまんでいくのも限界があります。
一匹でも逃したら気がつくと木が丸裸ということもあるのです。
強い農薬を散布すればもちろん効きますけれど、
マスクや手袋などいろいろと道具を用意しなければなりません。
毒性も強いですからまくのに細心の注意がいります。
そこで手軽でおすすめなのが家庭用のスプレー式殺虫剤です。
ハエや蚊用、ゴキブリ用、ハチ用、何でもかまいません。
これで少し離れたところから虫のいそうなところにシュッーとスプレーします。
それでしばらくおいておくと薬剤にやられた芋虫たちが落ちてきます。
あとは虫が死ぬのをまってからほうきで掃くなり、
死骸を拾うなりすればおしまいです。
これをあやしいなと思ったら何日かにわけて、
いろいろな方向からおこなってみてください。
一度ではスプレーがあたらなくても何度かやるとかならずあたります。
落ちた糞やかじられた葉のサインに気をつけてまめにまいておけば、
大きくなる前に虫を退治できます。
ちょっとかわいそうですけれど、
卵を産みに来た成虫にももちろん効きますから試してみてください。
葉の裏側も細かくチェックをしよう
オオスカシバの小さめな幼虫がいるのは葉の裏側です。
表からはよく見えないところに潜んでいます。
糞や葉っぱを食べられたあとを手がかりに葉の裏にいないかどうか探してみましょう。
見つけたらスプレーで一吹きです。
また、オオスカシバは卵を新芽に産みます。
卵からかえった幼虫は柔らかい新芽しか食べられません。
ですから葉が生えたばかりの柔らかい葉を重点的に探すと卵が見つかります。
直径1ミリくらいの卵です。
卵は葉っぱから落としてしまえばおしまいです。
たとえかえったとしても小さな幼虫は若葉のところまで上ることはできません。
卵の時点で退治できればもう安心ですね。
まとめ
・クチナシにつくのはオオスカシバの幼虫です。
・秋と春に地面にまくタイプの殺虫剤で予防できます。
・大きくなったら家庭用の殺虫剤が駆除に便利です。
・新芽についている卵をとりのぞけたら完璧ですね。
オオスカシバの幼虫は少し気を抜くとすぐにクチナシの葉を食べ尽くしてしまいます。
春先から準備してうまくいっていたのに、
少し気を抜いている間に食べられてしまったという話もよくききます。
長期戦になりますが、きれいなクチナシの花を咲かせるために、
たびたび様子を見てあげてください。
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