朝食に梅干しがないと何かが物足りないような気になります。
それほど日本人は梅干しが好きなようです。
中にはあの酸っぱい梅干しを何個も口に入れる人もいます。
「梅干しは体に良いのだ」と強い信念のもと、
疑いもせずせっせと梅干しを食べる人をよく見かけます。
確かに梅干しは体に良いとされています。
食欲のない暑い夏に梅干しを食べると食欲が湧いてきますし、
疲労回復にも一役買ってくれます。
しかし、食べ過ぎると歯に悪影響を及ぼすことをご存知でしょうか?
梅干しが大好きという方は要注意です。
近年にわかにクローズアップされてきた
『歯が溶ける』という問題について調べてみましょう。
歯は酸にとても弱いので注意を
梅干しは昔からその効能についていろいろ言われていますね。
殺菌効果があるので、お弁当に入れると腐りません。
そのためなのか、昔は日の丸弁当といってお弁当の真ん中に入れたものでした。
また、血液をサラサラにする効果もあるのです。
アルカリ性の梅干しは体に良いことばかりです。
しかし、そんな常識を覆すようなことが昨今わかってきました。
なんと、梅干しは歯を溶かすというのです。
健康に良いと信じて梅干しをお口に頬張っているあなた、要注意ですよ。
近年、『酸蝕歯』が問題となってきています。
酸によって歯が溶けてしまうというのです。
歯のエナメル質からリン酸カルシウムの結晶が溶け出してしまうのです。
これを『脱灰』と言いますが、酸っぱいものばかりを食べていると、
この脱灰が起こってしまいます。歯はとても酸に弱いのです。
今、酸に侵された『酸蝕歯』になる人が子供も大人も急増しているといいます。
梅干しにはクエン酸が豊富に含まれている
梅干しはアルカリ性の食品です。それなのに何故、歯を溶かしてしまうのでしょう。
大切なことを忘れてはいけません。
梅干しにはクエン酸が多量に含まれているのです。
そのクエン酸が食欲増進に役立っているわけですが、
歯を『酸蝕歯』にする悪役にもなっていたのです。
通常は唾液が酸を洗い流してお口の中を中和してくれるので心配ありません。
しかし、酸っぱいものを食べ続けていると
いつの間にか歯は『酸蝕歯』となってしまうのです。
この症状を『酸蝕症』といいます。
酸蝕症となると、歯がしみる、歯の色が黄色くなる、歯の艶がなくなる、
前歯の先端が欠けてしまったなどの症状がでます。
ひどい時には歯に穴が空いてしまったりします。
虫歯と並び歯を失う原因の一つです。
それでも食べたいときは口をゆすぎお口の中を中性化
そんな怖い話をされても急には梅干しを嫌いにはなれませんね。
今までご飯の度に食べていた習慣のある人はなおさら食べるのをやめられません。
あの刺激がたまらないという方もいるでしょう。
梅干しを食べても酸蝕症にならない方法を知りたいものですね。
ここからはその予防策についてのお話です。
まずは、あまり酸っぱいものは食べないこと。
でも、これでは当たり前すぎて予防になりませんね。
梅干しが食べたいから困っているのですものね。
では、食べた後はしっかりうがいをしましょう。
お口をゆすぐことで酸性に傾きかけた口内が中性に戻ります。
うがいをする習慣をつけると良いと思います。
食事中はよく噛んで食べることも大切です。
しっかり噛めば唾液の分泌量が増えて
お口の中を中和(これを歯の再石灰化と言います)してくれます。
次に歯磨きをすることですが、食べてすぐの歯磨きは控えた方が良いのです。
食べたばかりでは、歯は酸による脱灰が起こっています。
そんな時に歯磨きをすればは歯ブラシで歯を傷つけることになってしまいます。
歯磨きは食べて30分後、脱灰の後にくる再石灰化を待ってからするのがベストです。
まとめ
健康に良いとされている梅干しですが、
食べすぎると大変なことになってしまいますね。
梅干しの持つクエン酸が歯を侵し、酸蝕歯にしてしまうのですね。
酸蝕症はその昔は酸を扱う工場などの従業員がなるものとされていましたが、
近年では嗜好の変化によって食べ物でも酸蝕症になる人が増加しています。
梅干しに限らず、黒酢ダイエットにはまっている人も注意が必要です。
日頃酸っぱいものが大好きな人はいつも歯を酸に触れさせないように気をつけましょう。
酸蝕症は生活習習慣病でもあるのです。
最近歯がしみるという自覚のある人は特にこまめにうがいをすることを
忘れないようにしましょう。
酸蝕症は歯を失う原因の一つだということを覚えて置いておいてください。
いくら好きな梅干しでも、食べるのはほどほどにした方が良さそうですね。
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