最初にお伝えしたいのは土の上で蛹になり始めても、
まずは慌てなくても大丈夫だということ。
むしろここで慌てて触ったり持ち上げてしまうと蛹が傷つき、
かえってよくないのですよ。
慌てずにまずは蛹がしっかりと固くなるのを待ちます。
あなたが実際に対処するのはそれからなのです。
そもそも
「なぜあなたが飼っている幼虫が土の上に出てきてしまったのか」
を突き止めない事には始まりませんね。
今回の記事では、本来土の中で過ごすはずのカブトムシの幼虫が、
土の上に出てきてしまう原因を解明しながら、その対処法をお伝えしていきます。
カブトムシの幼虫が土から出ちゃってる!これって危険なの!?
カブトムシの幼虫が土から出ているときに考えられる可能性は、
・汚れすぎている
・窮屈になってきた
・マットが合わなくて食べられない
・水分が足りない
・酸欠状態になっている
以上の四点です。今すぐ生死にかかわるというわけではありませんが、
幼虫にとって良くないことは確かです。
このサインを見逃さず、きちんと対処してあげてくださいね。
いずれにしても幼虫が土の上にしょっちゅう出てくるときは、
まず土が乾きすぎていないかを確かめてください。
手のひらにすくってギュウと握っても形を残さず、
パラパラと崩れてしまうようならマットの水分が不足しているということ。
水分が足りているとなると、次に考えられるのは酸欠状態だということ。
マットの香りを直接嗅いでみて酸っぱいような匂いがしたら酸素が不足している証拠です。
またはマットが詰まりすぎていて密度が高すぎても酸欠状態になりますし、
幼虫がうまく土にもぐることもできません。
こうなったときには「マット交換」をおこなってあげます。
詰まりすぎているマットの密度を下げてあげることもできますし、
マット交換のさいに水分を加えてあげることもできます。
もちろん窮屈さを改善することもできますよ。
マットが幼虫の糞でいっぱいになったときにもマット交換をすることで、
改善してあげることができます。
マット交換をおこなっても土の上に上がってくるようなら、
そのマット自体が幼虫に合っていないということ。
マットをエサにして成長する幼虫にとって合っていないマットを与えてしまうと、
エサを食べられずに土の上に出てくることがあるのです。
そのときには使用していたマットとは別のものに取り換えてあげましょう。
このときに注意するのは成虫用などのマットではなく、
あくまで「幼虫用マット」を選ぶことをお忘れなく。
もし飼っている幼虫が土の上に出てくることが多くなったら、
以上の点を注意して見てみてくださいね。
幼虫が土の上で蛹になるのはどうして?理由と対処法をチェック!
カブトムシの幼虫が土の上で蛹になってしまう理由は大きく分けて、
・土の中のスペースが足りなかった
・土が乾燥しすぎていた
この2点です。
それぞれを一つずつ説明していきますね。
土の中のスペースが足りなかった
幼虫を1頭だけで飼育している場合はスペースに問題はありませんが、
2頭以上で飼育している場合「十分な広さ」というのはとても重要です。
基本的には「幼虫1頭にたいして1ℓのマットを要する」と考えてください。
これをもとに飼育ケースを選びます。
たとえば3頭を飼育するなら、
3ℓのマットが十分に入る大きさのケースを選びます。
なおかつ高さは飼育ケースの8分目から9分目くらいになるようにします。
不思議なことにカブトムシの幼虫は、
蛹になり始めるタイミングはバラバラですが隣同士接近して蛹になることはなく、
ちゃんと一定の距離をおいて蛹になるのです。
また蛹になる時にはもぐっている土の中に「蛹室」という部屋を作ります。
飼育ケースに十分なスペースがないとこの蛹室を作ることが出来ず、
しかたなく土の上に出てきてしまうというわけです。
土が乾燥しすぎていた
先述した通りカブトムシの幼虫は、蛹になる時に「蛹室」を作りますが、
この部屋は土の中にもぐり周辺の土を穴状に押し固めることによって形成されます。
このときに土に十分な水分が含まれておらずパラパラの状態だと、
上手に蛹室を形作ることができませんね。
うまく蛹室が作れなかった幼虫は蛹になる準備ができず、
これまたしかたなく土の上に出てきてしまうのです。
このように、カブトムシの幼虫が土の上で蛹になってしまう原因は、
以上の二つというわけです。
土の上に出てきた状態を放置してしまうと、
上手く羽化することが出来ずに寿命を縮めることになってしまいます。
またうまいこと羽化まで生き延びることができずに蛹の状態で死んでしまうことも。
これらを回避するためには人工的に蛹室を作ってあげて、
その中にカブトムシの蛹を入れてあげる必要があります。
人工的に蛹室を作ってあげることで生存率はグンとあがりますよ。
次の項ではこの人工蛹室の作り方をご紹介していきますね。
土の上で蛹になった時の対処法!早めに対応するようにしよう!
前の項でご紹介した通り、カブトムシの幼虫が土の上で蛹になってしまっても、
あまり悲観的になることはありません。
対処としては人工的に蛹室を作ってあげますが、これは羽化不全を防ぐため。
この人工蛹室に移すときに気をつけるべきポイントは、
慌てずに土の上で1週間は見守ってあげること。
蛹になりたての頃はまだ表面が柔らかく破れやすいため、
しっかりと固くなってから移してあげましょう。
それではここから人工蛹室の作り方をいくつかご紹介。
マットを湿らせて作る
もともとの住処であるマットを使用するので、一番自然体な方法です。
・紙コップやペットボトルを半分に切ったものの中に
湿らせたマットを入れる
・マットの中央部分に指で鶏卵くらいの大きさの穴を掘る
・水分を含ませてしっかりと崩れないように固める
・指の腹で、穴の中側を滑らかに整える
・蛹を壊れないように入れる
上の部分は空いていてもかまいません。
移動させる時には絶対に形が崩れないように注意しましょう。
オアシスで作る
「オアシス」とは、生け花などにつかう給水用スポンジのこと。
ホームセンターの園芸コーナーや100円ショップでも購入可能です。
・スプーンでかき出すように鶏卵くらいの大きさの穴を掘る
・指先に水を付けて、穴の中側を滑らかに整える
・蛹を壊れないように入れる
こちらはマットで作る時と材料が違うだけです。マットよりも比較的崩れにくいです。
トイレットペーパーの芯で作る
・トイレットペーパーの片方の穴をガムテープで塞ぐ
・ガムテープを貼った底面にキッチンペーパーを厚めに敷き詰める
・側面もキッチンペーパーで養生する
・蛹を壊れないように入れる
・非常に倒れやすいので、置いたものにしっかりと固定する
いずれにしても、「形の崩れにくい縦型の穴を作ってあげる」
ことで人工蛹室が作れるということ。
またカブトムシの幼虫が蛹の状態でいる期間は3週間から4週間くらい。
何度もしつこいようですが、土の上で蛹になり始めたからといって慌てることなく、
1週間は固くなるのを見守ってあげましょう。
人工蛹室に移動するときに蛹の中の幼虫が動くことがありますので、
びっくりして落とさないようにしましょうね。
まとめ
カブトムシの幼虫を飼育するにあたって忘れてはならないポイントは、
・マットの交換
・マットの水分
・土の中の十分なスペース
以上の三点なので、これらを忘れずに守ってあげることが
立派な成虫になることにつながるということです。
飼育に限ったことではありませんが、
なにか不測の事態が起こったときには必ず明確な原因があるものです。
今回お伝えしたように、何ごとも冷静に原因を突き詰めた上で、
その原因にあった対処法を施せばトラブルを回避できるということですね。
カブトムシは幼虫でいる期間がとても長い昆虫です。
不測の事態が起こっても、根気強く丁寧に飼育してあげてくださいね。
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