自由研究のテーマでお困りのあなたに提供したい研究テーマは「ゲリラ豪雨」。
なぜなら実際に起きている社会問題であり、なおかつ実験をするにも比較的簡単に取り組めるからです。
この記事を読んでいるあなたが実際にゲリラ豪雨について調べようと思っているのなら、
あらかじめ知っておいていただきたいポイントがあります。
・暖かく湿った空気
・上空にある冷たい空気
・上昇気流
・ヒートアイランド現象
・積乱雲
以上の5つがゲリラ豪雨を降らせる絶対条件です。
今回の記事ではゲリラ豪雨のメカニズムを解明しながら、
どのように実験を取り組めばよいのかなどを詳しくお伝えいたします。
自由研究にゲリラ豪雨を調べたい!どんな実験ができるか調べてみた!
ではまず実験装置の作り方について詳しくご説明いたします。
人工的に積乱雲を発生させゲリラ豪雨を発生させるには、
・暖かく湿った空気
・上空にある冷たい空気
・上昇気流
・熱を溜めた高層ビル
以上の四点の代用になるものを装置として用意する必要があります。
条件を整えるために用意するものは以下の通りですよ。
・幅40センチから50センチ程度の水槽
・小型の扇風機
・熱湯が入ったタッパーなどの容器
・あたたかい缶入り飲料
・ラップ
①水槽内の片すみにタッパーなどに入れた熱湯を置く。
これにより、「暖かく湿った空気」を発生させます。
②水槽の壁面とタッパーの間に小型の扇風機を挟む。
稼働させることにより空気を動かす役割を果たします。
③タッパーをおいた隣にアツアツの缶入り飲料を置く。
これは「熱を溜めた高層ビル」の代用となります。
④タッパーを置いた方と反対側の水槽の上端にラップを貼り、
ラップの反対端を缶の隣に貼り付ける。ラップが斜めに張っている状態にする。
実験装置がセットできたら、次はいよいよ実験開始です。
①小型の扇風機を稼働させ、水槽内に溜まった「暖かく湿った空気」を流動させる。
②天井の代わりに、ラップを水槽の上部全体に覆いかける。
水槽内と水槽外との温度の差をつけるためです。
これにより、ラップを張った水槽の外側が「上空にある冷たい空気」の役割を果たします。
③5分から10分おきに天井として覆いかけたラップの内側の状態を観察する。
こうすると扇風機によって熱湯の湯気が斜めに張ったラップを伝って上昇していきます。
そうすると「暖かく湿った空気」が「上昇気流」となるのです。
湿った空気が上昇し、高層ビルの代用として使った熱い缶入り飲料の熱を受け、
さらに上昇すると、集中的に缶の真上に水滴が溜まってきます。
これがビルの上空に発生する積乱雲のメカニズムです。
さらに実験を続行すると水滴もだんだんと溜まって
下にポタポタと落ちてくるようになります。
この「缶の真上に溜まった水滴が集中的にポタポタと落ちてくる」
という結果こそがゲリラ豪雨のメカニズムなのです。
自然現象を調べる!ゲリラ豪雨の原因と実態について調べよう!
そもそもゲリラ豪雨を発生させるための絶対条件が分からない事には始まりませんね。
前の項でお伝えした実験装置からも分かるように、
「暖かく湿った空気」と「上空にある冷たい空気」が
必要不可欠だということはお分かりいただけたかと思います。
ではこの寒暖両方の空気がどのような状態のときに雨を降らせるのか?
現在のような都市化が進んでいなかった時代は、
暖かく湿った空気を上昇させる役割を担っていたのは山だったのです。
山を伝って暖かい空気が上昇し、上昇した先で積乱雲を発生させ、
やがてゲリラ豪雨となって降ってくるという仕組みでした。
しかし都市化が急激に進んだ昨今、乱立した高層ビルやコンクリートの地面などが、
山に変わって従来の「暖かく湿った空気を上昇させる」という役割を引き受けたわけです。
都心部ではとくに、本来では熱をため込む性質を持つコンクリートの建設物がどんどん増え、気温とは別にその地域全域が暑くなってしまうという現象が起こっています。
これが世にいう「ヒートアイランド現象」というもの。
過密化が進む都心部では「暖かく湿った空気」が逃げ場をなくし上へ上へと上昇し、
籠った熱を発しているコンクリートの建設物の助けも借りて更に勢力をあげて上昇します。
このような現象が勢力の強い「上昇気流」のメカニズム。
暖かく湿った上昇気流はやがて上空にある冷たい空気とぶつかり合い、
積乱雲を発生させます。
やがて湿度が飽和状態になった積乱雲がどしゃ降りの雨を降らすという仕組みなのです。
すなわちゲリラ豪雨を発生させる絶対条件とは、
・暖かく湿った空気
・上空にある冷たい空気
・上昇気流
・ヒートアイランド現象
・積乱雲
この5つというわけなのです。
順番を付けて説明すると分かりやすいかもしれませんね。
①暖かく湿った空気が滞留する。これは季節的な問題で、日本列島では主に太平洋高気圧の影響によるものです。
②同じ時期に①の上空には冷たい空気が滞留する。これも季節的な問題で、
日本列島では主に偏西風の影響によるものです。
③都心部の過密化の影響で温かく湿った空気は逃げ場をなくし、上へと上昇する。
④③で上昇しだした暖かい空気は、高層ビルやコンクリートの地面などが
発生させる熱の影響を受け、さらに勢力を増して上昇する。
⑤急上昇した熱の影響で、真上に巨大な積乱雲を作り出す。
⑥⑤で発生した積乱雲の湿度が飽和状態になり、ゲリラ豪雨を発生させる。
以上のような仕組みにより、昨今では都心部のゲリラ豪雨の発生率が
高くなっているというわけなのです。
中学生の自由研究!ゲリラ豪雨で夏休みの宿題を片付けよう!
お伝えしてきたようなことを踏まえて自由研究に取り組めば、
集中的にやれば一日でレポートがまとまるかと思いますよ。
まず実験の内容としては以下のように行うのがおススメです。
・熱湯の温度を3パターン変えて実験する
・缶入り飲料の温度を3パターン変えて実験する
・水槽の外の温度を冷やしてみる
・各実験を5分から10分おきに観察して記録をつける
・温度と水滴が落ちる速度の関連性をまとめる
・あなたなりの「ゲリラ豪雨の定義」を考察する
これらの内容であれば時間もかからず、かつ様々なパターンを試すことができます。
次に、この実験結果と実際に起きたゲリラ豪雨を比較してみます。
インターネットで過去のゲリラ豪雨を調べ、その日の気温や湿度、
気圧はどうだったのかも併せて調べてみましょう。
あなたが実験して得た検証結果と考察を照らし合わせてレポートをまとめます。
これだけの作業でかなり充実した内容になると思いますよ。
まとめ
自由研究に取り組むのって、すごく大変ですよね。
とくにテーマを決める段階でつまずいてしまう学生さんも多いことでしょう。
ゲリラ豪雨は問題が年々深刻化している気象現象ですので、
研究対象としてはとても有意義だと思いますよ。
気象庁でさえなかなか予測がつかず困っているのです。
付け焼刃の「タメになるのかならないのか、よくわからない」という実験をするよりか、
よほど意味のある研究です。
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