栽培中の椎茸の原木にカビが発生してしまう大きな理由は、
・温度が高すぎる
・湿度が高すぎる
・カビの栄養になってしまうようなものが原木に付着している
これらが大きな原因なのです。
そしてカビを発見したらまずは早急に拭き取ってあげてください。
早い段階で一度「リセット」をしてから栽培に最適な環境に置いてあげるのが
最善の対策です。
今回は、椎茸の正しい栽培方法から最適な環境まで、
育てるうえで知っておいていただきたい情報を載せてみました。
栽培をするのが初めてではない方も、
カビ対策と合わせておさらいとして読んでみてくださいね。
椎茸を原木で育ててみよう!まずは基本の育て方を覚えよう!
まずは椎茸栽培の基本をおさらいしておきましょう。
そもそも「原木椎茸」とは、自然栽培された椎茸のことを指します。
人工的でなく、自然林にて椎茸菌を打ち込んだ原木に生えるものを指すということです。
そのため生えるのは一年をとおして春と秋のみ。
すなわち一年中収穫できるわけではないので、干し椎茸として保存します。
・原木となる木を入手する。ナラ、クヌギ、シデ、カシ、シイなどが好ましい。
ホームセンターでの購入も可能です。
・ドリルやキリで穴をあけた原木に椎茸の種となる「種駒」を打ち込む。
ハンマーを使い原木と種駒が平らになるまで打ち込みます。
これは原木に菌を接種する作業です。
・約3ヶ月「仮伏せ」をする。菌が原木に蔓延するように保湿管理します。
原木を浸水させて藁、ムシロ、ブルーシートなどを覆いかぶせ養生します。
・約1か月「本伏せ」をする。さらに菌が原木に蔓延させるためにおこないます。
キャンプファイヤーを組み立てるような形で原木を重ね、
遮光ネットを覆いかぶせて養生します。
・本伏せの期間中にハンマーで原木をよく叩いたり振動を与える。
菌の発生を促すためにおこないます。
・原木の「浸水作業」をする。水中にスッポリとおさまるように4時間程度浸水させます。
このとき原木が浮かんでこないように鉢などの重さのあるものを乗せておきます。
・浸水をした原木を直射日光が当たらず13℃から18℃程度の寒い場所に移し、
立てておく。
・芽が出てきたら、原木の樹皮が乾きすぎない程度に霧吹きで水分を与える。
・10日前後で椎茸が生え始める。
椎茸の原木が仕上がった後は、基本的には薄暗くて寒い場所で放置します。
椎茸が好む
「直射日光が当たらない」、「適度にジメジメしている」、「肌寒い」
という条件を満たす環境に置いてくださいね。
原木にカビが!?椎茸の原木にカビが生える原因と対策
冒頭でもお伝えしたように椎茸の原木にカビが生える原因は、
「温度が高すぎる」、「湿度が高すぎる」、「カビの栄養になってしまうようなものがある」大きく分けて以上の3点となります。
一つずつ詳しく説明していきますね。
温度が高すぎる
椎茸の栽培において最適な温度は13℃から18℃。
真冬の室内くらいの温度ということですね。
対してカビが発生しやすい温度は20℃から30℃。
振り幅は大きいですが、いわゆる室温くらいの温度がカビの発生しやすい温度。
13℃から18℃というのは屋外なら秋ごろ、屋内なら真冬ごろにあたります。
これらの理由からやはり椎茸は屋外で栽培するのが好ましく、
屋内で栽培するなら冬季に限定した方が無難ということです。
湿度が高すぎる
椎茸を栽培するのに最適な湿度は60パーセントから65パーセント。
対してカビが発生しやすい湿度は80パーセントから90パーセント。
原木にカビが発生したのなら、栽培場所の湿度が高すぎるという原因が考えられます。
例えば室内で加湿器を稼働させたり、
洗濯物を干した直後などは湿度80パーセントを軽く上回るものなのです。
カビの栄養になってしまうようなものがある
椎茸の栽培においての「カビの栄養」とは、
原木についた汚れと収穫したあとの僅かに残ってしまった椎茸なのです。
原木についた汚れが原因の場合は、原木そのものにカビが発生するのではなく、
付着した汚れにカビが発生している場合がほとんどなのです。
問題なのは「収穫した後の僅かに残ってしまった椎茸」が原因の場合。
じつは、カビが発生してしまったという問題が起こるのは、
二回目以降の栽培のときが圧倒的に多いのだそう。
なぜなら収穫しきれずに残った軸やつぶれた芽などには、
ほかの菌を寄せ付けない能力がないため。
これらにカビが発生し広がっていくというわけです。
収穫したあとは僅かに残ってしまった椎茸をキレイに取り除き、
次の栽培に取り掛かってくださいね。
一度原木に発生してしまったカビを根から滅ぼすことは容易ではありません。
椎茸を栽培するときには「そもそもカビを発生させない」ということが
重要なポイントとなってくるのです。
椎茸の原木にカビが生えた時の対処法!早めにきちんと対応を!
さりとて、どれほど気をつけていてもカビが発生してしまったときには
早めの対処を施してあげましょう。
・カビを発見したらすぐに拭き取る。拭き取り切れない場合は歯ブラシなどでこそげ落とすか、洗い流す。
・キレイになったらカビの再発防止のために一晩は涼しい場所で乾燥させる。
・再び原木を浸水させて、今度は直射日光があたらず、かつ温度が低く湿度が上がりすぎない場所に立てておく。できれば屋外が好ましい。
このように、早い段階で一度「リセット」をしてから
栽培に最適な環境に置いてあげるのが最善の対策です。
対処を施したあとはカビが発生しにくく椎茸が好む環境を整えてあげること。
ここできちんとした対処をしてあげれば、毎年きちんと椎茸が生えてくるようになります。
まとめ
万が一カビが発生してしまったら、可及的速やかに対処してあげましょう。
迅速な対応こそが、その年を越して次の年も上手に栽培を繰り返すコツとなります。
ちなみに、菌自体が発生しやすい最適な温度は25℃前後。
これくらいの温度を保つと繁殖がより盛んになるのですが、椎茸には適さないのです。
なぜなら最適な温度ゆえに成長が早まってしまい、肉厚で大きな椎茸にはならないからです。
低めの温度でじっくりと育てる方が、質の良い椎茸を育てるポイントですよ。
そしてカビが発生しない程度の湿度を保ってあげること。
すなわち上質なシイタケの栽培には「温度」と「湿度」の管理がカギとなるということです。
以上のポイントをふまえて上手に育ててあげてくださいね。
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