近頃、高齢者による自動車事故のニュースを多く見かけますね。
人間は年齢とともに集中力が低下し、反射神経や運動能力、
判断力も次第に衰えてしまいます。
しかしこれらの能力のすべてが、自動車の運転には必要不可欠なものになります。
運転能力の衰えによる高齢者の自動車事故が後を絶たない中、
注目されているのが運転免許証の返納です。
運転免許証を返納してしまうと、もちろん車の運転ができなくなるだけでなく、
身分証明書がなくなってしまうため、
デメリットしかないと思われている方も多いのではないでしょうか。
実は、運転免許証の返納で、身分証明書が貰えることをご存知でしょうか?
ここでは、運転免許証の返納から、身分証明書の発行方法、
さらに、免許証を返納することで受けられるサービスについてご紹介します。
いくつになったら、免許証の返納をするべきなのか?!
免許証の返納は、何歳になったらできるのでしょうか。
免許証の返納に関して、年齢の制限などはありません。
ただ、いわゆるもみじマークと呼ばれる高齢運転者標識は、
現在70歳以上の運転者が対象とされています。
この高齢運転者標識は、1997年の道路交通法改正によって導入された規定ですが、
当時は75歳以上を対象としていました。
その後2002年に、対象年齢が75歳から70歳に引き下げられることになりました。
つまり、70歳から高齢運転者に分類されることになりますので、
70歳から75歳あたりを、免許証を返納する時期の1つの基準として
考えてみてもいいかもしれませんね。
身分証明書を貰うにはどんな手続きが必要なのか?!
運転免許証を自主返納すると、運転経歴証明書の申請が可能になります。
運転経歴証明書は、運転免許証に代わって身分証明書として使うことができます。
運転経歴証明書をもらうためには、まず免許証を自主返納しなければなりませんので、
そちらの情報からご紹介していきます。
免許証の自主返納は、各運転免許センター、運転免許試験場、
または免許証に記載された住所の管轄となる警察署で行うことができます。
必要となる持ち物は、運転免許証です。
また、地区によっては印鑑が必要になる場合もありますので、
念のために準備していくか、事前に問い合わせることをおすすめします。
免許証の返納後に、運転経歴証明書の申請をすることができます。
発行の申請ができる場所は、免許証の返納ができる場所と同様になります。
申請の際は、まず会場で運転経歴証明書交付申請書に必要事項を記載します。
必要な持ち物は、
・証明写真(タテ3cm×ヨコ2.4cmで、撮影6ヵ月以内のもの)
・身分証明書(保険証など、本人確認と住所確認ができるもの)
・印鑑
になります。
また、発行手数料として1000円程度がかかります。
地区によって手数料の金額は違うようですので、注意が必要です。
運転経歴証明書が発行されるまでの期間は、
運転免許センター、運転免許試験場の場合:即日
警察署の場合:約2~3週間
となります。
また、運転免許センターや運転免許試験場による即日発行の場合でも、
混雑状況によっては2~3時間以上かかってしまう場合もありますので、
なるべく時間に余裕を持って手続きに向かうことをおすすめします。
ちなみに、運転経歴証明書の発行申請には条件があり、たとえば、
・免許証の自主返納から5年以上経過している
・免許の取り消しの処分を受けている
・免許失効の処分を受けている
場合などは、証明書発行の申請ができませんので注意が必要です。
免許証を返納すると受けられるサービスは?!
運転経歴証明書には、免許証の代わりの身分証明書になるだけでなく、
様々な特典を受けられるというメリットがあります!
受けられる特典の一部をご紹介しますと、
・鉄道やバスの料金の割引
・タクシー運賃の割引
・金融機関での金利面の優遇
・買い物など、商業施設の割引
など、様々なサービスがあります。
免許証を返納してしまうと、車での移動が自分ではできなくなってしまうため
不便に思われますが、このようにバスやタクシーの割引があると知れば、安心できますね。
まとめ
運転免許証の返納というと、生活が不便になるというデメリットしか
浮かばない方も多いかもしれませんが、様々な特典が用意されていたり、
メリットも多くあるといえるでしょう。
運転経歴証明書には有効期限などはなく、
なくしてしまっても再発行することができます。
また、免許証の返納による特典は、
運転経歴証明書の提示によって受けることができるサービスです。
証明書の発行は、免許証の返納の手続きをしたら、その場で引き続き申請も行えますので、
運転経歴証明書を使った新たな人生の充実について、
一度考えてみてはいかかでしょうか。
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