冷蔵庫で冷やしたところてんに酢醤油をかけて青のりと和がらしで頂くところてんは、
身も心もスッキリとして美味しいですね。夏の日の定番おやつです。
ところでこのところてんによく似たもので、寒天というのがあります。
食べ方は全く違うけれど、このふたつはテングサという同じ原料からできていたのです。
全く同じ原料なのに、食べ方も見た目も違った食品になるのです。
知っているつもりでよく知らなかったところてんと寒天の違いを徹底的に調べてみましょう。
驚愕!ところてんと寒天の違いを分析してわかった事!
ところてんと寒天の違いは製法の違いでした。
両方ともテングサ(天草)という海藻で作られています。
ところてんは、このテングサをドロドロに煮溶かし、
型に流し込んで常温でゆっくり固めます。
固まったものを『天突き』で細く突き出したものがお馴染みのところてんになります。
全体の99%が水分で、残りの1%が食物繊維やミネラルです。
ところてんは清涼感のあるデザートとしてだけではなく、
食物繊維で腸内環境を整えるのにも一役買っているのですね。
一方寒天は、ところてんを凍らせたあとに乾燥させて作ります。
従来の製造方法では、凍結場にところてんを並べ、寒い夜に凍結させます。
ふた晩かけての凍結が最良とされます。
酷寒で一晩で凍結させると寒天質と氷が分裂してしまいます。
また、温暖のために4,5日かけて凍結したのでは寒天は腐ってしまいます。
そのため、長野や岐阜といったちょうど良い寒さの寒冷地で寒天作りが盛んとなりました。
凍らせたところてんは、数日かけて今度は日干しをして、水分を抜いて乾燥させます。
現在はテングサが高級なため、オゴノリなど他の海藻もプラスして作るようです。
こうしてできたものが寒天となるわけですね。
製法以外の違いとしては、ところてんは磯の香りがしますが、寒天は無臭というところです。
ところてんの美味しい食べ方3選!
ところてんと寒天の違いがわかったところで、今度は美味しい食べ方をご紹介しましょう。
横浜生まれの私は、ところてんといえば、
酢醤油に青海苔をかけて和がらしで頂くという以外に
食べ方があるとは思ってもいませんでした。
しかし、広い日本にはいろいろな食べ方があるのですね。
その中からおすすめの食べ方をご紹介します。
まず王道は(いろいろお考えはあるでしょうが、あえて王道と呼ばせていただきます。)
酢醤油に青海苔をかけて、和がらしでいただきます。
あの酸っぱさとツンとくる辛さがたまりません。蒸し暑い夏の日も乗り切れる清涼感です。
関西ではところてんは甘いデザートになります。
ところてんに黒蜜をかけて食べるのが当たり前なのです。
ちょうどくずきりのような感覚でしょうか。
ところてんに黒蜜をかける食べ方は、奈良時時代から始まっていたようです。
当時、奈良や京都の都では貴族の間で貴重品の砂糖を使うことが流行っていたようです。
その流れでところてんに黒みつをかける食べ方が生まれたようです。
四国では、ところてんに出し汁をかけて食べる方法があります。
カツオのだし汁をかけたり、めんつゆで生姜と一緒に食べるというのもあるようです。
讃岐うどんで有名な香川県が近隣にあるので、麺類のような食べ方が発達したのでしょう。
こうなると、ところてんもデザートというよりお料理の一品になりそうですね。
ところてんの美味しい食べ方は他にもいろいろあるのかもしれません。
しかし、代表としてはこの3点のようです。
黒蜜のところてんもだし汁のところてんも美味しそうですね。
甘いもの好きな私としては、早速黒蜜のところてんを食べてみようと思います。
寒天の美味しい食べ方3選!
ところてんよりも使う幅が広い寒天は、お料理に、お菓子作りに大活躍ですよね。
その中から美味しそうな寒天のレシピをご紹介します。
まずは、牛乳寒天です。鍋に粉寒天を水を入れてかき混ぜ火にかけます。
煮立ってきたら砂糖を加えて溶かし、一度火を止めます。
そこに常温に戻した牛乳を加えます。
水を濡らした容器にそれを流し込んで冷やし固めて出来上がりです。
オレンジゼリーも寒天で簡単にできてしまいます。
鍋に水と粉寒天を入れて煮溶かします。
温めたオレンジジュースをその中に入れてよく混ぜます。
あとは入れ物に入れて冷蔵庫で冷やし固めて出来上がりです。
デザートにも、ダイエット食としても使えて重宝します。
注意点は寒天と一緒にオレンジジュースを煮詰溶かさないことです。
一緒に煮溶かしてしまうと、固まらなくなります。
最後に涼しげな寒天寄せのサラダはいかがでしょう。
鍋にだし汁と粉寒天を入れて煮溶かします。
それをみりん、塩、醤油で味をつけてよく混ぜ、火を止めます。
流し缶に茹でたオクラや枝豆、コーンやミニトマトなどの
季節の野菜やむきエビなどを入れて、用意した寒天液を入れて、冷蔵庫で冷やし固めます。
色とりどりの具材と、寒天がキラキラ輝いてきれいなサラダができあがります。
ちょっとおしゃれで、来客にも良いかもしれません。
まとめ
寒天は、お料理にデザートにといろいろな使い道があることはよく知られています。
しかし、ところてんにもいろいろな楽しみ方があるとは知りませんでしたね。
ところてんは遠い昔に中国から日本に伝わりましたが、
寒天は日本で生まれた健康食品なのです。
およそ350年ほど前、江戸時代の中期に京都の老舗旅館を営んでいた美濃屋太郎左衛門が、
ある日、食べ残しのところてんを外に捨てたところ、真冬の寒さで夜のうちに凍結し、
日中の太陽で解凍され、水分が抜けて干物になったのを発見しました。
美濃屋太郎左衛門がこれに興味を持ち、それを煮て、冷ますと、
ところてん特有の臭みがない、透明な塊ができました。
これが寒天誕生の由来だという事です。
偶然の産物からできた寒天も、古代からの歴史を持つところてんも、
日本人の夏には欠かせない爽やかな食べ物となりました。
固定観念にとらわれず、いろいろな味で楽しみたいですね。
コメント