大久野島をご存知ですか?
広島県竹原市に属する小さな島で、瀬戸内海芸予諸島の一つとされています。
かつて毒ガス工場の島として、世界大戦中は地図から消された島でした。
そんな過去を持つ大久野島ですが、
近年では『うさぎ島』として人気が出ています。
島内には700匹以上のうさぎが生息していて、
その可愛い姿を観光客に惜しみなく見せています。
ひしめき合うように体を寄せ合ったり、
観光客にエサをねだったりするうさぎたちが可愛すぎると大評判で、
中にはうさぎを持ち帰りたいという人も多いということです。
そうした大久野島のうさぎのお話をしていきたいと思います。
大久野島うさぎは野生のうさぎで持ち帰りも抱っこもダメ!
大久野島は現在は国立公園に指定され、宿泊施設を始め、
温泉、キャンプ場、釣りや海水浴など遊び心満載の島となっています。
しかし、何といっても、この島の魅力はたくさんの野生のうさぎと触れ合えることです。
エサを求めて群がってくるうさぎを抱き上げたり、
エサをやったり写真を撮ったりとうさぎたちに心を癒される観光客が後を絶ちません。
最近では国外からもうさぎ目当てに訪れる外国の方も多くなりました。
島中、どこへ行ってもうさぎの姿がないところはなく、
人に慣れたうさぎたちが観光客に可愛い顔ですぐそばまでやってきます。
あまりにも愛らしいうさぎに、こっそり持ち帰りたいと思う観光客は多いといいます。
しかし、島内のうさぎは野生のうさぎです。
どんなにウサギが可愛いからといっても、
野生のうさぎを持ち帰ることは自然公園法や鳥獣保護法に触れ、
罰則があります。
また、ウサギが怪我をしてもいけないので、抱っこもしないようにしましょう。
大久野島うさぎ持ち帰りの危険も!ノミやマダニがいたら大変!
とても可愛い大久野島のうさぎたちですが、
持ち帰りや抱っこをすると危険なこともあるのです。
この島のうさぎたちは野生だということを忘れてはいけません。
ペットショップで売られているうさぎではないのです。
野生ならば、当然ノミがいることもあります。
マダニだっているかもしれません。
日本でもマダニに咬まれて重症熱性血小減少症候群になる人が何人かは出ていますよね。
また、ウイルスの感染症にかかっているうさぎもいるかもしれません。
野良猫から感染症にかかってしまったという人もいます。
野生の生き物を触るということは、そういう危険に会うかもしれないのです。
大久野島のうさぎが感染していることはないのかもしれませんが、
野生の生き物を触るということはその危険も覚悟しておいた方が良いですね。
島内に生息するうさぎたちはネズミとも接触があります。
ネズミが持っている病原菌がうさぎに感染していないとも限りません。
野生のうさぎを持ち帰る危険は、罰則だけでは済まないかもしれないのです。
そして、最も大切なことは、持ち帰ったうさぎを一生飼う自信があるのかということです。
室内の温度管理やエサやりなど面倒な世話が毎日あるのです。
そんな面倒を乗り越えて、一生世話をする自信があるのなら、
うさぎはペットショップで買いましょう。
大久野島はうさぎの楽園ではなかった!観光客に追い回される悲劇!
大久野島のうさぎの悲劇は持ち帰りばかりではありません。
観光客に追い回されるうさぎもいます。
また、急に抱き上げられると、天敵に襲われたのだと思って激しく暴れます。
その暴れ方に耐えらえれずうさぎを離してしまうと、
飛び降りた弾みに足を骨折してしまいます。
エサをあげるのは良いのですが、あげ方にも注意が必要です。
木陰も何もない広々とした場所でうさぎに餌をあげると、
人間が離れた際にそのうさぎがカラスに襲われるということもあるのです。
観光客の捨てていったゴミをうさぎが食べてしまい、
体調を崩して死んでいったうさぎもいます。
観光客の乗った貸し自転車がうさぎの足を轢いていったり、
車にぶつかったりと観光客が増えれば増えるほど、うさぎの悲劇は増加していくのです。
地元の小学校が離したわずか8匹のうさぎから繁殖してうさぎの楽園となった
大久野島ですが、
人間の心無い行為から怪我をするうさぎが続出していることを考えると、
どうやらうさぎの楽園とは言いがたくなっているのではないでしょうか。
まとめ
うさぎと触れ合える島として人気となった大久野島ですが、
可愛からと持ち帰る人がいたり、抱っこをしたり、
追い回したりとうさぎにとって迷惑な行為が多くなっています。
その果てに怪我をしたり死んでしまううさぎがいるという話を聞くたびに、
人間とは罪深い生き物だと悲しくなりますね。
人間のエゴでうさぎたちの生態系を壊しているのかと思うと、胸がつぶれる思いです。
可愛いうさぎを持ち帰る人もいれば、
反対に飼いきれなくなったペットのうさぎを大久野島に
わざわざ置いていく人もいるといいます。
ペットのうさぎがその後どうなるのか、
その人たちは考えたことがあるのでしょうか。
うさぎの楽園においてくればペットのうさぎも幸せに暮らせると思うのでしょうか。
おいてきぼりのペットのうさぎは野生のうさぎの仲間に入れず、
エサの奪い合い競争にも負けてしまうのです。
イノシシやカラスなどの天敵から自分を守る術も知らずに、
ペットのうさぎは死を待つしかないのです。
うさぎのことを可愛いと思うなら、
うさぎを島から持ち帰らず、持ち込まず、そして抱っこしないで、
優しくうさぎを見守ってあげましょう。
エサをあげるときにも細心の注意を払いましょう。
もう一度大久野島をうさぎの楽園にするために
人がしなければならないことですね。
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