毎年、年に2回行われる衣替え。
皆さんはこの衣替えってどういう意味か、考えたことってありますか?
私服の保育園や小学校だと、ただ季節に合わせて衣服を変えるだけ・・・
って方もいますよね。
はい、私もそのうちの一人です!
しかし制服のある園や学校だと、衣替えの時期が決められています。
子どもに「なんで6月1日と10月1日に衣替えをするの?」
と聞かれたとき、なんて答えたらいいか悩みますね。
「そういう決まりだからだよ!」と言うのも、
納得しない子どももいますしね。
この「6月1日」と「10月1日」には、何か意味があるのでしょうか?
というわけで調べてみました。
衣替えとは何か?簡単に解説!
まずはわかりやすく、機能面から説明してあげましょう。
「これから暑くなるのに、長袖の服は着れないよね?」
「これから冬になってどんどん寒くなるのに、
いつまでも半袖の服じゃ風邪をひいちゃうよね?」
という風に説明してみましょう。
小さな子どもに、衣替えの歴史や意味を説明しても難しいです。
まずは「衣替えをしなければどうなるのか」ということを、
教えてあげられるといいですね。
幼稚園や学校で制服を着る場合は、
みんな一斉に衣替えをすることになりますが、
これはみんなが同じ服を着ることによって、
一体感を出す、という効果もあります。
個性が尊重される現代ではあまり大きな意味はありませんが、
衣替えというのは元々、みんな同じ服装をすることにより、
団体としてのまとまりを表す、という意味もあります。
なので「友達ともっともっと仲良くなれるよ!」と声をかけるのもいいですね。
また、小さな子どもだとどんどん大きくなっていくので、
去年着ていた服が、今年はもう着れなくなった!という場合も多いです。
衣替えは、小さくてもう着れない服、
汚れてるからクリーニングに出さなければならない服を確認する意味もあります。
子どもと一緒にこれらのチェックを行いながら、
「○○くんはもうこんなに大きくなったから、○○くんはこの服とはバイバイして、
他のまだ着れる、小さい子にプレゼントしようか」
「これはまだ着れそうだからまた今度着ようか」
「これは汚れてるけど、ちゃんと綺麗に洗濯したらまた綺麗に着れるね」
という風に伝えると、
子どもは整理整頓の大切さや、
物を大切にする気持ちを覚えていってくれます。
衣替えの意味には歴史が関係している!
日本では毎年当たり前に行われている衣替えですが、
発祥の起源は中国です。
平安時代に中国から伝わった風習が、日本の宮中行事として定着したのが、
衣替えのはじまりだと言われています。
平安時代中期では衣替えは「更衣(こうい)」と呼ばれており、
毎年、旧暦の4月1日と10月1日に行われていました。
当時はまだ着物で、季節に応じた服がなかったため、
下着などで調節していたといわれています。
この「更衣」が「衣替え」という言葉に変わったのは、
女官の役割として「更衣(帝の着替えを司る者)」というものがあったからです。
役職としての「更衣」と、行事としての「更衣」の混同を避けるため、
行事としての「更衣」の呼び名が、変わったのです。
そして江戸時代からは、
衣替えをする日と、着る着物の種類を幕府が定めました。
旧暦の4月1日には袷(あわせ)という、裏地つきの着物、
旧暦の5月5日には単位、帷子という麻で仕立てられた着物、
そして旧暦の9月1日には袷に戻り、
旧暦の9月9日に綿入りの着物を着るようにしていました。
また、衣替えの風習が庶民に広まったのもこの頃です。
明治時代になると、
日本人の服装は和装から洋装へと変化していきました。
明治5年に明治政府はそれまでの和装礼服を廃止し、
新たに洋装の大礼服を制定し、
役人、軍人、警察官に洋服の着用を義務付けました。
そして明治6年に新暦が施行され、
夏と冬を月で分けるようになってから、
6月1日から9月30日は夏服、
10月1日から5月31日は冬服と定められました。
このことが学校や官庁に広がり、そして定着して、
現在の衣替えとなりました。
子どもには四季に置き換えて説明すると分かりやすい!
日本には4つの季節があります。
寒かった冬が終わり、だんだん暖かくなると春の訪れを感じ、
そして気温がどんどん上がり、暑い暑い夏になり、
厳しい暑さが徐々に収まってくると、過ごしやすい秋になり、
そして寒い冬になり…と、
私たち日本人は季節の移り変わりを感じることができます。
そんな毎年移り変わる季節の気温に合わせて、
子どもには説明してあげると分かりやすいです。
始めのほうでもお伝えしましたが、
「暖かくなってきたから、いつまでもコートを着ていたら暑いよね?
だからコートはもう片付けようか」
「寒くなってきたのに、いつまでも半袖のTシャツを着ていたら風邪を引いちゃうよね?」
という風に説明してあげると、子どもはすぐに理解してくれるでしょう。
まとめ
今まで衣替えとは、機能面での意味しかないと思っていた私ですが、
調べていくうちに、衣替えにも日本の行事としての歴史や意味があると知りました。
「食育」という言葉があるように、「行事育」という言葉を提唱される方もいます。
日本の様々な行事を通して、本来の由来や込められた願いを知り、
昔ながらの知恵や、親子の絆を深めようというものです。
衣替えも、歴史ある日本の行事のうちの一つです。
この機会にぜひ、子どもと一緒に衣替えの意味や歴史を考えたいですね。
また、衣替えには他にも「服のメンテナンスをする」という意味も含まれています。
服のメンテナンスを通して、子どもに「整理整頓の気持ちよさ」や、
「物を大切にしようとする気持ち」を伝えていきたいですね。
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