子供を持てば誰しもがなりうる育児ノイローゼ。
もはや他人事ではありません。
育児ノイローゼに注意しなければならないのは、
何も育児をしている当事者だけではありません。
育児を一人で頑張りすぎて離婚…なんてことになる前に、
知っておきたいことをお伝えいたします。
育児ノイローゼの時に陥りやすい環境
ここ日本では、育児はどうしても親であるどちらかが
担当することが多いです。
ベビーシッターや家事代行サービスのシステムが
まだまだ一般的に浸透していませんしね。
いまや一般的になりすぎた核家族化も要因の一つといえます。
ゆえに、小さな赤ちゃんを守るため、片時も離れずにお世話をし、
外出することもままならず、
パートナーは家族が増えたとありより仕事に勤しみ…
育児をはじめるとどうしても孤独が付きまといます。
まして、育児を始める前には仕事をし、
社会の一員として活躍してきた人なら、社会から一旦離れることになり、
より一層社会から断絶された感が否めないでしょう。
孤独感に拍車がかかります。
そう、育児ノイローゼの大きな原因は、
慣れない育児の大変さというよりも、
この「孤独」が大半を占めています。
育児の苦労を分かち合うのと同時に、
この孤独を分かち合う相手の存在が、育児には不可欠になります。
赤ちゃんとあなたは、違う人間。
同じ環境でも感じ方が違うのは当然で、
考えていることだって全く違います。
もちろん、わが子が何人いようと、それぞれ別々の人間であって、
それぞれに違った個性があります。
違う人間同士が生活を共にすることが大変な作業なのは当たり前で、
特に生まれたばかりの赤ちゃんは
泣いたり笑ったりすることでしか思いを伝えられず、
こちらの思いも言葉では伝えられません。
昼夜問わずお腹が空き、おむつが濡れ、
抱っこをしてほしくて、親を求め泣いたり笑ったり。
小さな小さな赤ちゃんは、しょっちゅう熱を出し、
なんだか壊れてしまいそうでとても儚い。
まるでガラス細工を扱うような気持で接してしまう。
育児をする人にとっては何もかもが初めての経験で、
親になったからといって最初から完璧な育児ができるはずがないのです。
それでも、育児を始めたからには失敗は許されない。
ある人からは、
「こうしなければ一人前の育児ではない!」
と偉そうにお節介をいわれ、(失礼!)
ネットを覗けば育児はこうあるべきという情報が溢れている。
そんな状況の中で、共有できる相手がいないとなると…
ノイローゼになるな、というほうが難しいかも知れませんね。
孤立した育児は、ノイローゼになりやすい環境を作り、
さらに孤独を引き寄せます。
慣れない環境の中、社会から離れ、家の中でも孤立してしまう、
「だれも分かってくれない、自分だけが苦しい」
という思いがさらに孤独に拍車をかける、
育児ノイローゼの怖いところは、この「孤独のループ」です。
また妊娠、出産を経た女性はとくに、
情緒をつかさどるホルモンバランスが大きく崩れており、
ただでさえ情緒が安定しない精神状態にあります。
そこに睡眠不足が加われば、もう悪循環です。
事前に話し合っておくことが大切
あなたがもし育児ノイローゼに陥り、
「理解してくれる人がいない、世の中みな敵ばかり」
と思ってしまうその前に、できる対策がたくさんあります。
そうなる前に是非知ってほしいいくつかのことがあります。
女性は本能で、男性は理性で行動する
もし今、育児をしているあなたが女性なら、生まれつき母性が備わっています。
母性は本能で、無条件にわが子を守ろうとする能力です。
一方男性は、母性が「子供を無条件に慈しむ本能」と定義づけるならば、
その気持ちはやはり女性よりはどうしても弱くなります。
もともと男性にそなわっているのは、より優秀な子孫を残すという本能なので、
育児をする場合はどうしても
「子供を守らなくてはいけない、育てなければいけない」
という理性のもとにする傾向があります。
まして、妊娠、出産を経てきた女性は
そのホルモンのバランスにより母性が強まるようになっているのに対し、
男性はそうではありません。
今の自分の精神状態、身体状態を客観的に伝える
育児を主に担当しているのが女性なら、まずは伝えるべきこと。
妊娠と出産の影響でホルモンバランスが大きく崩れ、
情緒不安定になるのはシステム上の問題である、
ということを正しく理解してもらう必要があります。
そして、赤ちゃんによって手のかかる度合いが違い、
大変さを感じる度合いだって違います。
精神のみならず、心身にまで影響が及んでいるなら
(頭痛、目眩、不眠、動悸など)なおさら、
自分が今どのような状態に陥っているのかを、正しく伝える必要があります。
孤立しない
前述した通り、育児中はどうしても孤立しがちになります。
感情的になりそうなときは感情が高ぶっている状態であること、
疲れてクタクタなときは何をどの程度手伝ってほしい、
勇気を持って素直にパートナーに伝えることが、孤独にならない一番の方法です。
育児を担当している当事者が一人で抱え込むことはありません。
子供にとっては、どちらも頼りになるかけがえのない親なのです。
理解してくれない夫とは離婚しても後悔しないかも?
そうは言っても夫婦は他人。違う人間なのだから、
どうしても理解しあえないこともあります。
日本は、まだまだ多くの場合は母親が育児を担当することが多いでしょう。
上記のホルモンバランスの乱れや、情緒が安定しないことを
パートナーがどうしても理解しようとしない。
それどころか、甘えであると罵倒されたり、
聞く耳をもたない場合は、警戒が必要です。
他にも、
・理想の子育てを有無を言わさず押し付けてくる
・子育ての困難を妻だけのせいにする
・心身の疲労を認めようとしない
・泣く子供を怒鳴りつける
・子供を邪魔にし出す
このような言動がみられる場合は、
立派な虐待です。(いわゆるモラルハラスメント)
虐待とは何も暴力だけを指すわけではありません。
こうなってしまっては、お母さんと子供の生活の安全が脅かされます。
離婚にはデメリットがありますが、もちろんメリットもあります。
子供は、お母さんの精神状態に敏感です。
僅かな変化も察し、それが悪い意味での変化であれば、
大切なお子さんにも何らかの悪影響が及ぶかもしれません。
もしあなたが虐待をうけていて、離婚を考えている場合は、
以下の点を念頭に置いてみてください。
・然るべき専門機関に相談をしてみる
・自宅の価値と住宅ローンの残高を把握しておく
(昨今はインターネットで簡単に不動産価格の査定が可能です)
・親権を確保できる条件を確保する
・貯蓄、株券の有無、保険金など、財産の現状を確認しておく
離婚に関して先立っての心配は、やはりまず金銭面。
離婚時に未成年のお子さんが居ればなおさらです。
単純に収入減が半分になり、
(一般的には年に約500~600万円の違いがあるといわれています)
国の調査によれば、養育費は2割の人が支払われず、
支払われた場合も離婚後10年後は約8割の人が支払われていない現状があるようです。
守るべきものがあるからこそ、
離婚を考える場合には有利に離婚条件を展開できる体制を整えることが肝心でしょう。
まとめ
育児は、子供が赤ちゃんの時期だけではありません。
乳児期の次には、2歳ごろにおとずれるイヤイヤ期が待ち構えています。
それどころか、わが子がもう親の助けは不要と成長するまで、育児は続きます。
長い長い育児を共有し、人を一人一人前にし世に送り出すことは、
誰にとっても並大抵のことではなく、また誰にとっても平等に訪れる試練です。
いま育児をしているあなたは、じゅうぶんに頑張っています。
決して一人ではありません。世界中に、子育てに奮闘している同志がいます。
どうかそのことを忘れず、一人で背負い込まないでくださいね。
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